集中する力とは:注意のコントロールに向けて
4.注意とは何か
「A君、この絵(図1)を見て。何に見えるかな。」
「ウサギ」
「他には?」
「???...。あっ、わかった!鳥だよ、鳥。」
「そうね。じゃあ、次。この絵(図2)は何に見える?」
「えーっと、フルーツ皿かな。」
「うんうん。で、他には?ほら、黒い部分に注意して。
「あっ、向き合ってる人の横顔!」
「そうそう、いいね。それじゃ、フルーツ皿と人の横顔をいっぺんに見ることできる?」
「...できないよ。」
「ウサギ」
「他には?」
「???...。あっ、わかった!鳥だよ、鳥。」
「そうね。じゃあ、次。この絵(図2)は何に見える?」
「えーっと、フルーツ皿かな。」
「うんうん。で、他には?ほら、黒い部分に注意して。
「あっ、向き合ってる人の横顔!」
「そうそう、いいね。それじゃ、フルーツ皿と人の横顔をいっぺんに見ることできる?」
「...できないよ。」
「そうだね。白い部分に注意を向けるとフルーツ皿が見えて、黒い部分に注意を向けると、横顔が見えるんだよね。」
「ああ、そうそう。」
「じゃあ、さっきのウサギと鳥はどう?」
「えーっと、これもいっぺんに両方見ることはできないよ。ウサギが見えたら鳥が見えなくなるし、鳥が見えたらウサギが見えなくなるよ。わー、おもしろいね。どっちか片方が消えてしまうんだ。」
「そう。あるものに注意を向けると、他のものは注意の外に行ってしまうのよ。あれにもこれにも注意を向けることはできないってこと。」
「ふーん、そうなのか。」
「ああ、そうそう。」
「じゃあ、さっきのウサギと鳥はどう?」
「えーっと、これもいっぺんに両方見ることはできないよ。ウサギが見えたら鳥が見えなくなるし、鳥が見えたらウサギが見えなくなるよ。わー、おもしろいね。どっちか片方が消えてしまうんだ。」
「そう。あるものに注意を向けると、他のものは注意の外に行ってしまうのよ。あれにもこれにも注意を向けることはできないってこと。」
「ふーん、そうなのか。」