ぷち心理学タイトル 27.話がわかりにくいと言われないために
 「きみの話はわかりにくいんだよ」と夫に言われたことはありませんか? 「ちゃんと話しているのに,なによ!」と憤慨する前に,少し冷静になって,自分自身の話し方をふり返ってみましょう。たとえば,あなたは,帰宅したばかりの夫に,うっかり次のように話しかけることはありませんか? 
「ねえ,ジュンくんママとエリちゃんママはOKだけど,ヒロくんママとミユちゃんママは,その日はダメみたい。日曜のプラン,無理かも。」
 これでは,いきなり言われた夫が戸惑うのも無理はありません。もちろん,あなたの頭の中では,話はきちんとつながっています。以前何度も夫に話した,5家族そろっての,今度の日曜日の親睦バーベキューパーティーのプランを4人のママたちに打診してみたところ,都合の合わない人たちがいて,実現が難しくなってしまったことを,夫に報告しなければと考えたわけですから。
「そうか,それは残念だね」という夫の返事を期待していたあなたは,「えっ? いったい何の話か,ちっともわからないよ」という言葉を聞いて,「なんだ,夫はあまり関心がなかったんだ」と,がっかりするかもしれません。
 でも,ちょっと待ってください。ずっとバーベキューパーティーのことを考えていたあなたと違って,夫の頭の中は,明日の仕事の段取りや電車の中で読んでいた小説,今夜のサッカー中継のことなどでいっぱいかもしれないのです。
 そんな夫の意識をまず,バーベキューパーティーに向けさせる必要があります。そこで,次のように話してみてはいかがでしょう。
「ねえ,今度の日曜日のバーベキューパーティーのプランだけど,残念ながら実現は難しいみたい。なぜかって言うと,うち以外の4軒のうち2軒のお宅が,都合がつかないんですって。」
 まず,何の話かを先に告げ,次に結論を述べて,それから理由を話すと,聴き手の頭の中で話がすっきり整理できます。話の細かい部分は,最初は出さない方がわかりやすいでしょう。たとえば,都合がつかないのはどのお宅かなど。
 あなたの話に夫がきちんと向き合ってくれるよう,ほんの少し気を配ってみましょう。話の組み立てを工夫するだけで,見違えるほどわかりやすくなりますよ。
(2011年 Happy-Note 春号 p.53)