思考の創造性:豊かで柔軟な発想が生まれる条件
3.創造的思考のための方法論
子どもたちの創造的思考力を高めるためには,これまで見てきたように,創造性を支える知的特性や態度特性を伸ばすように働きかけ,また,創造性を妨げる要因をできるだけ排除する必要がある。そしてさらに,創造的思考のための方法論を子どもに伝えることができれば,より具体的な形で創造的思考を促進することができる。
そこで次に,創造的思考のための方法論,とりわけ発想法について,代表的なものを紹介する。
(1)ブレインストーミング法
オズボーン(Osborn,A.F.)によって開発されたこの方法では,まずはじめに,一切の批判を禁じて,自由奔放にアイデアをたくさん出す。これは,アイデアがたくさん出てくれば,それにともなって良質のアイデアもふえる,すなわち,アイデアの量と質とは比例するという考えに基づくものである。この点は,実験的にも確認されている。アイデアが出尽くしたところで評価の段階に移り,実際に使えそうなアイデアを絞り込んでいく
(2)KJ法
川喜多二郎氏によって開発されたこの方法は,もともと文化人類学のための手法であり,膨大な質的データに基づいて発想するためのものである。
まずは,考えを1つずつ「ラベル」に書き込む。KJ法で言う「ラベル」は,同じサイズの小さな紙片を指す。次に,ラベルの分類を繰り返し,グループ化する。小グループ,中グループ,大グループ,といった具合にである。そして,大きな紙に,グループ化したラベルを張り込み,ラベルどうしの関係を示す。
KJ法では,混沌とした状態にあるバラバラの考えを,目に見える形にして,体系化していくことが基本である。最終的に,平面上に配置されたラベル・グループをにらみながら,文章化していく。
(3)NM法
中山正和氏の開発によるこの方法は,一見無関係なものとの間のアナロジー(類似性,類推)を活用して発想する方法である。
たとえば,ある製品の売り上げを伸ばすという目的のために,「自然界でうまくお客を集めているものはないか」と考える。そして,「れんげ草には,蜂や蝶がたくさん集まる」→「れんげ草は一面に咲く」→「広域広告を出せば製品が売れるのではないか」→「全国紙にカラーで広告を出したらどうか」というように発想を展開するわけである。どんな問題も,解決のヒントは,すでに自然界に存在しているという考えが基本である。また,なるべく概念的に遠く離れたものどうしを結びつけることにより,独創的な発想を目指すものである。
そこで次に,創造的思考のための方法論,とりわけ発想法について,代表的なものを紹介する。
(1)ブレインストーミング法
オズボーン(Osborn,A.F.)によって開発されたこの方法では,まずはじめに,一切の批判を禁じて,自由奔放にアイデアをたくさん出す。これは,アイデアがたくさん出てくれば,それにともなって良質のアイデアもふえる,すなわち,アイデアの量と質とは比例するという考えに基づくものである。この点は,実験的にも確認されている。アイデアが出尽くしたところで評価の段階に移り,実際に使えそうなアイデアを絞り込んでいく
(2)KJ法
川喜多二郎氏によって開発されたこの方法は,もともと文化人類学のための手法であり,膨大な質的データに基づいて発想するためのものである。
まずは,考えを1つずつ「ラベル」に書き込む。KJ法で言う「ラベル」は,同じサイズの小さな紙片を指す。次に,ラベルの分類を繰り返し,グループ化する。小グループ,中グループ,大グループ,といった具合にである。そして,大きな紙に,グループ化したラベルを張り込み,ラベルどうしの関係を示す。
KJ法では,混沌とした状態にあるバラバラの考えを,目に見える形にして,体系化していくことが基本である。最終的に,平面上に配置されたラベル・グループをにらみながら,文章化していく。
(3)NM法
中山正和氏の開発によるこの方法は,一見無関係なものとの間のアナロジー(類似性,類推)を活用して発想する方法である。
たとえば,ある製品の売り上げを伸ばすという目的のために,「自然界でうまくお客を集めているものはないか」と考える。そして,「れんげ草には,蜂や蝶がたくさん集まる」→「れんげ草は一面に咲く」→「広域広告を出せば製品が売れるのではないか」→「全国紙にカラーで広告を出したらどうか」というように発想を展開するわけである。どんな問題も,解決のヒントは,すでに自然界に存在しているという考えが基本である。また,なるべく概念的に遠く離れたものどうしを結びつけることにより,独創的な発想を目指すものである。