ぷち心理学タイトル 7.きょうだいげんか,どうすればいい?
 きょうだいって,いいな。仲よくしたり,けんかしたりしながら,ともに成長していけるから…って思っていたのに,なに,このすさまじいきょうだいげんかは!? しかも,(大人から見れば)ささいな理由で,毎日毎日。
 こんなふうに嘆くママたちは,けっして少くありません。特に,ふたりともまだ幼く,年齢が近い場合には,上の子は手加減してくれませんので,下の子が激しく泣かされることになります。そこで,ついつい「お兄ちゃん(お姉ちゃん)のくせに,何するのよ!」と,上の子をきつく叱りがちです。でも,叱りっぱなしは,だめ。悪くすると,上の子がいじけたり,下の子にさらにひどく暴力をふるう結果になります。では,どうすればいいのでしょう? 
 まず,いつもけんかのきっかけとなる原因があるのなら,それをなくすことです。たとえば,お菓子は最初から分けて渡す。おもちゃは2人分用意するか,あるいは,粘土や空き箱・新聞紙などの素材をたくさん用意して遊ばせる(これは創造力を育てるのでお勧めです)など,取り合いにならないよう工夫する。
 そして,下の子が寝た後などに,上の子を思い切り可愛がってあげることです。年の近いきょうだいでは,下の子が生まれたことで,上の子はいろいろと我慢したり,愛情不足になっていたりするものです。ですから,これを補うくらいの可愛がり方が必要でしょう。上の子をだっこして,「○○ちゃんは,本当は優しい子ね。ママは,○○ちゃんが大好きよ」などとささやきかけるのは効果的です。もちろん,ママだけでなく,パパやおじいちゃん,おばあちゃんがこの役割を果たしてもいいのです。これを繰り返すことで,「自分は大切にされている」と安心できる上に,「自分は優しい子なんだ」という自己認知が形成されます。その結果,「自分は優しい子だから,弟(妹)にも優しくしてあげよう」という気持ちが芽生えてきますよ。
(2006年 Happy-Note 春号 p.88)