ストーリー1:問題を感情的にとらえてしまうと…

 生徒たちは口々に不満の声をあげます。
「校長先生って,私たちの気持ちをぜんぜん考えてくれないんですね」
「そんなの横暴じゃないですか」
「いやだ,いやだ,いやだ…」
   (ガヤガヤガヤ…)
 ちょうどそのとき,校長先生が1年3組の教室の前を通りかかり,騒ぎを聞きつけて教室に入って来ました。
「あー,みなさん。いや,私は何もね,みなさんの気持ちを無視しているのではないですよ。もしもウグイス山でみなさんが迷子にでもなったらたいへんだと,みなさんのことを心から心配しているんじゃありませんか。なにしろ私には,校長としての責任がありますからね。黄色いリボンがかっこう悪いって? まあ,みなさんの年頃はかっこうを気にするというのはわかります。しかし,言わせてもらうと,かっこうより何より,みなさんの安全の方が大事だ。なに,黄色いリボンも,慣れてしまえば,なかなかかわいくていいと私は思うがね。それにね,隣のコマドリ学園では,生徒が迷子にならないように,赤いリボンをつけてもらうことになっているそうだよ。どうです,みなさん。これでもう議論の余地はないだろう。わっはっは」
 一週間後には,黄色いリボンを頭につけてウグイス山に登る,カナリア学園の生徒たちの姿が見られることでしょう…。
カナリア学園の遠足
 問題を感情的にとらえてしまった場合には,残念ながら,生徒たちには納得のいかない結果に終わってしまいそうですね。やはり,校長先生の言う通りにするし か方法がなかったのでしょうか?いいえ,そんなことはありません。いきなり感情的にならずに落ち着いて,問題を論理的にとらえてみることが,実は黄色いリボンをつけなくてすむためのポイントだったのです。

ストーリー2: この問題を生徒たちが論理的に判断すると…(解決篇) →