ぷち心理学タイトル 40.子育て中の疎外感には
「子どもが生まれてしばらくは,無我夢中だったけど,一日中この子と二人きりだと,なんだか社会から取り残されてしまいそう…」
こんな声を漏らすママたちがいます。
 実家などから育児のサポートが十分に受けられる恵まれたママは,必ずしも多くはありません。知り合いのいない土地で,昼間はたったひとりで子育てをしなければならない場合は,やはり心細いはずです。話し相手がほしいけど,夫は毎晩遅く,子どもはまだおしゃべりできないし,となると,なんだか気分が重くなるかもしれません。こんなとき,どうすればいいのでしょう?
 まずは,現在あなたと同じ状況にいるママたちがどうしているのか,また先輩ママたちがどのようにして乗り越えたのかという体験談を参考にしてはいかがでしょう。ネットで探せば,休職中のママや専業主婦のママ,パートの働き口を探しているママなど,いろいろなケースが見つかります。匿名だからこそ,率直な心情が綴られているという利点もあります。
 また,ネットの育児相談の中には,「これは,まるで私のことみたい」と感じるものがあるでしょう。そうした相談に,複数のママたちが親身になって答えてくれています。会ったこともない人への,その親切さは,子育ての楽しさだけではなく苦しさも十分味わった「同志」としてのママの共感から来るものでしょう。このようなネット上の共感や励ましに触れるだけでも,心が少し軽くなるはずです。
 さらにもうひとつメリットがあります。それは,疎外感を克服したママたちのさまざまな知恵と工夫を学べることです。彼女たちは,気持ちの切り替えや時間の使い方がうまく,短い時間でもできることから着手し,将来に向けて準備をしています。育児の合間に時短家事の技術を高め,自分の時間が確保できるようになった人もいることでしょう。心理学的に見ても,いろいろな工夫に触れることで,自分なりのアイデアが湧きやすくなります。
 ネットにはネガティブな面もありますが,上手に使えば心強いツールとなります。ネット上で親切なヒントを提供してくれる,こうしたママたちこそ,あなたを支えてくれる「ママ友」かもしれませんよ。
(2014年 Happy=Note 夏号 p.83)