ぷち心理学タイトル 26.ママ友づきあいで悩まないために
 子どものお友だちのママとのつきあい方,どうしていますか? 実は,これが悩みの種になることも少なくありません。中でも多いのは,相手のママ友に遠慮がなく,こちらにどんどん踏み込んでくるというケース。たとえば,「ぜひ私たちのサークルに入ってよ!」と勧誘してくるママ友,「お宅,車あるでしょ?」としょっちゅう送迎を頼んでくるママ友,毎日ランチをいっしょに食べようと言うママ友,などなど。
 「そんなこと言われても,私にも都合が…」という言葉をつい飲み込んでしまうことが度重なれば,ストレスはたまる一方です。かと言って,断れば,相手の態度が冷たくなったり,子ども同士のつきあいにまで影響するのでは,と心配にもなります。いったい,どうすればよいのでしょう?
 私たちは誰しも,「嫌われたくない」「いい人だと思われたい」という願望を持っています。そのため,ついつい無理をするわけです。気が進まないことでも,断らずに引き受けたり,いやだと思っても笑顔を見せたり。
 そこで,ご紹介したいのは「アサーション」の考え方です。アサーションは,攻撃的でも受け身的でもなく,自分を大切にしながらも相手への配慮に満ちた表現法です。たとえば,サークルへの勧誘の例では,「無理!」と一言で済ませずに,「ありがとう。声をかけてくださって,とても嬉しいわ。ただね,実家の事情もあって,今はちょっと時間と気持ちの余裕がないの。ごめんなさいね」というように,相手への感謝の気持ちやお詫びを丁寧に述べた上で,きちんと断る方法です。このような表現であれば,相手を尊重していることが伝わるため,気を悪くされることは少ないはずです。  
 ママ友とのおつきあいに,ある程度の妥協は必要かもしれませんが,行きすぎた我慢は禁物です。あなたの都合や希望を,柔らかく,でも相手にはっきりわかるように伝える工夫が大切です。伝え方の上手な人を見つけて,その人の表現法をぜひ参考にしてみてくださいね。
(2010年 Happy-Note 冬号 p.59)