ぷち心理学タイトル 24.創造性を伸ばすには
 創造性豊かな子に育ってほしい。それは,多くのママが願うことでしょう。では,創造性の豊かな子は,どのような特徴を持っているのでしょうか? 心理学者のギルフォードは,冒険を好む(失敗を恐れない),自信が強い,人まねを嫌う(独創性を重視する),変化を好む,達成心が強い,といった特徴を挙げています。
 子どもたちの創造性を伸ばすには,まず,こうした特性を伸ばすような働きかけをしてあげることが大切です。たとえば,失敗に寛大な態度をとったり,子どものユニークな考えや作品をほめたり,最後まで粘り強く取り組むことを見守り応援するなどの態度を周りの大人が示すことが効果的です。逆に,子どもの考えや作品をけなす,失敗をとがめる,子どもがじっくりと取り組んでいることを「早く早く」とせき立てるなどは,避けるべきです。
 また,意外に思われるかもしれませんが,子どもにものを与えすぎることも,実は創造性の妨げになることが多いのです。ほしいおもちゃを次々に買ってもらう子は,そうでない子に比べて,自分で工夫することが少なくなりがちです。同様に,すぐに答を教えてもらったり,先回りしてヒントを与えられたりすると,自分で考える必要性が薄れてしまいます。結果として,創造性を発揮する機会が奪われてしまうのです。
 さらに,子どもは親のすることをお手本にしますから,両親がふだんの生活の中で,ちょっとした工夫を楽しむ姿を見せてあげることも大切です。たとえば,段ボール箱で収納棚を作ったり,オレンジジュースの紙パックを半分に切ってペン立てにしたり,空きビンをパーツ入れにするなど。
 これからの季節,親子で外に出かける機会も増えるでしょう。そんな折に,山道で拾った葉っぱや小枝,あるいは海岸で集めた貝殻や丸くなった小石などを持ち帰り,家族で簡単な工作を楽しむのもおすすめです。上手にできなくても,自然の素材を使って作った物は,独特の味わいが出て素敵に見えます。まだ手先が器用でない小さな子どもの場合は,さりげなく手伝いながら,最後は自分で完成させてあげると,「やったぁ!」という喜びが大きくなることでしょう。
(2010年 Happy-Note 夏号 p.69)